あすなろ大学は、座間市東地区文化センターの事業のひとつで、高齢者のための生涯学習学級です。受講資格は、原則として60歳以上の座間市在住・在勤者で、金曜日午後の2時間の講座に継続して出席できること、としています。

受講期間は5月中旬の開講式から、翌年3月中旬の閉講式までの約11か月です。毎年新規受講生を募集していますが、本人が望めば翌年も続けて受講することができます。受講料は無料です。ただし、あすなろ会会費は年間1,000円です。




平成28年度のあすなろ生(受講生)は213人です。海老名市、相模原市、大和市、綾瀬市、町田市、藤沢市など、座間市外の高齢者も参加しています。
在籍者の年齢は61歳から90歳に及び、その平均年齢は73.7歳です。男性134人、女性79人で、男性が約2/3を占めています。

在籍年数の最高は27年で、平均在籍年数は7.1年となっています。

             


年間プログラムに基づいて、受講期間の11か月で約50講座を実施しています。講座のテーマは、郷土、時事、歴史、文学、健康、野外活動、社会的課題など多岐にわたり、あすなろ生(受講生)の多面的な興味と好奇心を反映しています。
講師の話を聴く講座だけではなく、講師を含め参加者たちが討論するという参加型の講座もあります。





自分(個人・グループ)でテーマを決め、調べてまとめ、大学展や公開講座で発表し、レポートを提出するという自主的な学びを、私たちは「調べ学習」または「大航海」と称しています。

何かを求めて、自分で航路を設定し、あっち(例えば図書館)に行ったり、こっち(例えば現場)に行ったり、詳しい人を探して尋ねたり、道を間違えたり、失敗したり、そしてついにその何かを発見します。



その様子を、予め航路が定められている定期航路(学校教育や会社などでの教育など)ではなく、自分で航路を探りながら航海する大航海時代の航海(自由な発想と行動)になぞらえています。

テーマは人それぞれの興味と好奇心に任され、どのように調べを進めるかもその人次第です。調べた結果は、毎年開催される大学展や講座のひとつである公開講座で、受講仲間と一般市民に発表します。
私たちの多くは学者ではありません。ですから、調べの結果として学問的な成果は求めていません。勿論そういうことがあれば、それはそれで素晴らしいことです。


しかし私たちが大事にしているのは、知らなかったことが新しい知識となり、知恵となることは勿論ですが、自分で設定したテーマに取組む中で得られる、その人らしい体験、発見、出会い、感動であり、それらを表現したその人らしい発表でありレポートなのです。「その人らしさ」には優劣はありません。だから「調べ学習」には「優劣評価」はないのです。

とは言っても、テーマを決めること、調べること、発表の準備をして発表すること、レポートを作成すること、などなどは、あすなろ生(受講生)を悩ませもします。しかしそのことこそ、あすなろ生(受講生)が精神的な若さと活力を保っている(はずです)源泉なのです。




現在13のクラブが活動しています。
@パソコンクラブ、Aデジカメクラブ、Bウォーキングクラブ、Cゴルフクラブ、Dわさび田クラブ、Eそば打ちクラブ、F麻雀クラブ、G日本史の会、Hカラオケクラブ、Iあすなろ唄おう会、Jあすなろ囲碁教室、K鎌倉クラブ、L川柳クラブ。

講座や「調べ学習」での学びをもう一歩進めるために同士が集まりクラブができました。全く趣味的なクラブもありますが、地域活動を手がけているクラブも少なくありません。
クラブ活動を通じて培われるクラブ員同士のつながりは、あすなろ生(受講生)のあすなろ大学への求心力を支えています。
ただし、どのクラブも、あすなろ生(受講生)しか入会できないきまりです。




「あすなろ会」には、会長以下事務局などの運営組織があり、センターと協働してあすなろ大学の運営に取り組み、あすなろ大学を支えています。

例えば、年間のプログラムの編成と実行ではプログラム委員会が、そして年に1回の大学展の運営には大学展委員会が大きな力を発揮しています。
またあすなろ大学のホームページや、1年間の活動記録となるまとめ誌『あすなろ』の編集・発行、「調べ学習」の成果であるレポートの管理なども、あすなろ会によって運営されています。

毎年新しいシニアを迎え入れ、その人たちが先輩と同様に、生き生きと活動できる場であり続けるように、あすなろ生の多様な能力を生かしながら頑張っています。