当時国際基督教大学・国連大学客員教授高橋一生さんから、あすなろ大学のあり様を、高齢者の生涯学習の在り方として、「座間モデル」と命名していただきました。

あすなろ大学が創立20周年を迎えた平成19年に、あすなろ大学創立20周年記念誌編さんに際し、高橋一生さん(当時国際基督教大学・国連大学客員教授)に「座間モデルの世界への発信」という一文を寄稿していただき同誌に掲載しています。

人間の一生として従来、社会と家庭に庇護される第一期、社会と家庭で活動する第二期、再び社会的弱者となる第三期という三つの期間に別けられてきたが、高齢化の進む現今では第二期と第三期の間に新第三期を新たに加えなければならない。新第三期の人々(あすなろ生を含む)には多様な生き方が求められるが、「あすなろ大学の自主性を重んじた知の追及の共同体は、そのための素晴らしい1つのモデル」で、「おおげさではなく座間モデルは世界史的意味合いを持っている」と称賛していただきました。

ここで「座間モデル」という言葉が初めて使われたわけで、当時国際基督教大学と国連大学の客員教授を務められていた高橋一生さんが名付け親ということになります。


「座間モデル」の実際の形態
あすなろ大学の当時の状況に沿って考えてみると、「自主性を重んじた知の追及」とは「自主的な学び(大航海)の実践」のことであると思いますが、しかしそのことは「座間モデル」の必須条件でしかありません。

忘れてはならないのは、その基盤としての、自主的な学び(大航海)に対する熱意と、参加者全員がそれを楽しもうとする熱気です。それがあってこそ「座間モデル」は活きたモデルとなります。
したがって「座間モデル」とは、「自主的な学び(大航海)を実践し、知る喜びや楽しさを共有し盛り上げる仕組みのある高齢者の学習形態」のこと、と言えます。

そして「仕組み」とは、自主的な学び(大航海)の指導者の存在とその助言と、学びの成果をお互いに発表する機会(発表会とレポート)の他、学びの発展形でもあり、あすなろ生同士のつながりを強めたクラブ活動と研修旅行だったのだと思います。

現在の状況は、「座間モデル」と命名された当時から見ると、受講者も増え、あすなろ生(受講生)の自主性もますます強く求められるなど、いくつかの違いはありますが、それらに対応しながら「座間モデル」は今も健在であると自負しています。
平成22年度まとめ誌『あすなろ』には、当時のあすなろ生が構築した「座間モデル」について詳細を掲載しています。